去年の年末から今年にかけての一大事件(そして私のクリスマスプレゼント)といえば、エキシマレーザー装置の更新です。エキシマレーザーというのは、レーザー近視矯正手術 レーシックを行う際に使用するレーザー装置です。
新しい装置は ニデック EC5000CX3といって、唯一の国産レーザーです。これまでも当院ではニデックのレーザーを使っていました。これはEC-5000という、今回導入したレーザーの初期型にあたるものですが、これまで、アイトラッキング、マルチポイント照射装置など最新の機能にアップグレードして使用してきました。それが今度、それらの機能が最初から組み込まれたCX3という最新型が厚生労働省の認可を受けて発売されましたので、いろいろと考えましたが、思い切って導入しました。ちなみにメーカーによると国内導入一号機! だそうです。

去年の12月末から設置・調整が始まり、メーカーの技術者の3人が約1週間かけて調整します。角膜をミクロン単位で切除するので、ちょっとした誤差が結果に大きく影響しますから、設置も大変です。
設置工事が終わり、種々のテストもパスして、いよいよ本年の1月11日から稼働開始しました。結果はとってもよく、こういう新しい器械は初期はトラブルがつきものですが、トラブルは全く無く、これまでの機械に比べて、速く、使い勝手がよくなり、手術時のストレスが非常に軽減されました。レーシックはいつも同じ手順、同じタイミングで同じように手術することが、手術結果の安定につながりますので、非常に楽にいい結果が出せます。また機械のいろいろな動作が速くなっているので、手術時間も短縮できるようになりました。
エキシマレーザー手術機械は、日本、アメリカ、ドイツから発売されています。日本はニデックですが、アメリカはビジックス(VISX)、ボシュロム、ドイツはツアイス、ウェーブライトなどがあります。ただし、この中で、厚生労働省の認可を受けている機械はニデックとVISXだけで、ボシュロムとツアイスは現在、認可申請中です。またカスタム照射によるレーシックの認可を受けているのはニデックだけです。
新しい機械を導入するときに気になるのは、機械による性能の差です。いろいろなエキシマレーザー装置の性能の差を明らかにするために、一昨年の日本白内障屈折手術学会で、私やバプテスト眼科の稗田先生、南青山クリニックの荒井先生が中心になって、同じ測定条件で各社のレーザーの手術結果を比較したことがありました。その結果は、各社のレーザーの手術結果はほとんど差がなく、各社、一定の水準に達していることが確認されました。そのときの発表で、私はニデックのエキシマレーザー装置を担当したのですが、その当時、決して最新型とはいえないニデックレーザーが、他の最新のレーザーと比べて遜色が無いことに自信を深めました。そうなると、メンテナンスの体制が整っていて、性能が安定して壊れにくく、使い慣れたニデックに決めました。
実は私がニデックに決めたもう一つの理由があります。それは昨年の日本白内障屈折手術学会で同じく岡本、稗田先生、荒井先生が座長をした老視矯正レーシックです。現在、老視レーシックについては、ニデックとVISXが取り組んでいますが、ニデックはこの面でも積極的な取り組みをしています。我々のグループも老視レーシックに取り組んでいて、いずれ結果が報告できると思います。